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<title>志木電子書籍</title>
<link>http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/</link>
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電子書籍専門出版社。志木電子書籍のサイトです。
書影をクリックすると、著者略歴と立読みを閲覧できます。

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<dc:date>2012-05-26T18:19:07+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/05/59-5f02.html">
<title>ある元編集者の死</title>
<link>http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/05/59-5f02.html</link>
<description>5月9日、一人の元編集者が亡くなりました。 1925年（大正14年）生まれの86...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;5月9日、一人の元編集者が亡くなりました。&lt;br /&gt;
1925年（大正14年）生まれの86歳。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;本来ならば戦争へ行っている年代だけれども理科にいたことで回避。&lt;br /&gt;
終戦の日の玉音放送は東京で友達と聴いたそうです（ちなみに「敗戦」でなくて「終戦」。なぜなら、あの時にはなんでもいいから終わって欲しかったから、終戦というのはその時の気分に合っている。そしてもう一つ、「敗戦」と言うと、「もう一度やって勝ちたい」などという連中が出てくるから「終戦」でいいと言っていました）。&lt;br /&gt;
イギリス皇室がキングス・イングリッシュを喋るのだから、日本の皇室もきっときれいな日本語を喋るのかと思っていたら、初めて聴いた天皇の声は神主のようで、それで天皇という憑き物が落ちたそうです。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;学生時代は演劇をやっており、文学座演出部におりました。&lt;br /&gt;
1925年に大学を卒業して中央公論社入社。&lt;br /&gt;
この年の同社の採用は一人だったらしく、あとは不合格。その不合格組の一人に現在、読売新聞社の主筆を務めている方も混じっていたそうです（後に彼は自分が落ちた会社を買ったわけです）。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;中公では、主に雑誌畑が長く、中央公論、婦人公論、週刊公論を行ったりきたり（当時は電通の肝入で作られたそういう雑誌があったのです）。出版部は少しだけ。&lt;br /&gt;
婦人公論時代は伊藤整の『女性に関する12章』を企画。これは単行本になってベストセラーになりました。&lt;br /&gt;
また、中央公論新人賞が創設された時にその担当となり応募作品の一遍である深沢七郎著『楢山節考』を最初に読みました。当時の中公新人賞の選考委員は伊藤整、武田泰淳、三島由紀夫。全員一致で第一回の新人賞は深沢七郎に決定。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;本人曰く、「中公時代はバカつきだった」。&lt;br /&gt;
戦後民主主義を信奉し、久野収、鶴見俊輔、藤田省三氏ら錚々たる方々の知己を得て、中央公論本誌の中核メンバーとして60年安保を経験。&lt;br /&gt;
しかし、深沢七郎の『風流夢譚』を中央公論が掲載したことから運命の歯車は狂い、1963年に中央公論社を退社（その後、中央公論本誌の編集路線は、それまでと真逆の保守路線へと転換）。&lt;br /&gt;
以後、東京12チャンネルを経て河出書房へ。&lt;br /&gt;
ところが河出新書の企画を練っている最中に同社は会社更生法を申請。再び退社。&lt;br /&gt;
その後、鹿島建設の子会社である鹿島出版会に移り、定年。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;以後は自宅で本を読み、ワープロ、パソコンで何がしかの原稿を執筆。&lt;br /&gt;
86歳で使用していたパソコンはMac Book。Gmailのアカウントを持ち、facebookにも登録。Gmailでビデオチャットぐらいはできる年寄りでした。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;先月から人工透析を始めたけれども、それ以外は問題なし。&lt;br /&gt;
闘病の「と」の字も介護の「か」の字とも無縁で、常に高い知性を維持して本を読み、あるいはドイツ語の勉強をしていました（ノートにドイツ語の単語を書き連ねて、その意味を書いていた）。&lt;br /&gt;
光文社の古典新訳文庫のリリースを心待ちにして、これが出ると購入して読んでは、他の翻訳と比べてみたり原文をあたってみたり。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;そうした日々が亡くなるその日まで続き、タバコは日に数本（医者に本数を抑えられていた）、酒は自由に飲んでいました。&lt;br /&gt;
5月9日は、7回目の透析の日。朝、自分でアマゾンで注文した衣類を受け取り、朝食を「食べ過ぎた」というぐらいに食べて、近所のクリニックへ。&lt;br /&gt;
自宅は団地の９階。玄関を出てエレベーターに乗った直後に倒れて７階で乗ってきた人に発見された時にはすでに意識はなかったとのこと。&lt;br /&gt;
あっという間の大往生。&lt;br /&gt;
100人に聞けば100人ともが、そういうふうに死にたいというのではないかと言うような、いわゆるピンピンコロリのピンコロという死に方。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;私の父、京谷秀夫の一生はそんな形で終わりました。&lt;br /&gt;
今ごろはあちらの世界で、深沢さん、久野さん、藤田さんとの再会を果たしていることでしょう。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;img alt=&quot;Fuuryus_2&quot; title=&quot;Fuuryus_2&quot; src=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2011/11/01/fuuryus_2.png&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/02/post-c3d2.html&quot;target=&quot;_blank&quot;&gt;&lt;br /&gt;
京谷秀夫 著『一九六一年冬「風流夢譚」事件』&lt;br /&gt;
著者紹介＆立読み版！&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;※以下は父が1970年に書いた河出新書の企画書です。&lt;br /&gt;
なかなかの力作で、貴重な資料なので、ここに公開してみます。&lt;br /&gt;
現在、河出書房新社には新書のラインがありますが、これは河出書房時代の企画書で、残念ながら日の目は見ませんでした。&lt;br /&gt;
ちなみに、私の手元には、これ以外に、父を含めた各部員が同じペラ１枚の用紙に１本の企画を書いた企画書が70本以上ありますが、今の河出書房新社の新書とは方向性がまったく違うようです。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/files/kawade_shinsyo.pdf&quot;target=&quot;_blank&quot;&gt;「河出新書」企画書&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;</content:encoded>


<dc:subject>『一九六一年冬「風流夢譚」事件』</dc:subject>

<dc:creator>kappaman</dc:creator>
<dc:date>2012-05-26T18:19:07+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/04/post-a00d-1.html">
<title>大泉黒石の抱腹絶倒、山岳、登山エッセイ　『山の人生　上』　が発売となりました。</title>
<link>http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/04/post-a00d-1.html</link>
<description>明治、大正、昭和を生き抜いた伝説のアナキスト作家、大泉黒石の山岳、登山、エッセイ...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;明治、大正、昭和を生き抜いた伝説のアナキスト作家、大泉黒石の山岳、登山、エッセイ、『山の人生　上』が&lt;a href=&quot;https://hon-to.jp/asp/SearchSeries.do?publisherUid=10003385&amp;sh=publisher&quot;target=&quot;_blank&quot;&gt;honto&lt;/a&gt;、&lt;a href=&quot;http://booksv.fmworld.net/products/list.php?mode=search&amp;category_id=&amp;name=%E5%BF%97%E6%9C%A8%E9%9B%BB%E5%AD%90%E6%9B%B8%E7%B1%8D&amp;search.x=0&amp;search.y=0&quot;target=&quot;_blank&quot;&gt;BooksV&lt;/a&gt;で発売となりました。&lt;br /&gt;
上越アルプス、片品川渓谷、銀山平、鬼怒川渓谷、、、などなどおなじみの山々を昭和の前半期に登山していた黒石。当時の様相が手に取るようにわかる一方、そこで起きた真実なのか物語なのか、判別がつかないようなエピソードも交えられており、大変に面白く、また興味深く読むことができます。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;立読みは　→　&lt;a href=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/04/post-2786.html&quot;target=&quot;_blank&quot;&gt;こちら&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;なお、この本は『山の人生』として昭和17年に発売されたものを２分冊にしたもので、下巻も追って発売いたします。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;img alt=&quot;Thumbnail&quot; title=&quot;Thumbnail&quot; src=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2012/04/15/thumbnail.png&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/p&gt;</content:encoded>


<dc:subject>Sony Reader Store</dc:subject>

<dc:creator>kappaman</dc:creator>
<dc:date>2012-04-29T09:16:22+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/04/post-2786.html">
<title>大泉黒石著『山の人生　上』著者略歴＆立読み版</title>
<link>http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/04/post-2786.html</link>
<description>書名： 『山の人生　上』 価格： ５２５円 著者： 大泉黒石（おおいずみ・こくせ...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;書名： 『山の人生　上』&lt;br /&gt;
価格： ５２５円&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;img alt=&quot;Thumbnail&quot; title=&quot;Thumbnail&quot; src=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2012/04/15/thumbnail.png&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;著者： 大泉黒石（おおいずみ・こくせき／1893-1957）&lt;br /&gt;
　　　　⇒ウィキペディア「&lt;a href=&quot;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%B3%89%E9%BB%92%E7%9F%B3&quot;target=&quot;_blank&quot;&gt;大泉黒石&lt;/a&gt;」&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;u&gt;&lt;strong&gt;&lt;&lt;&lt;&lt;立読みコーナー&gt;&gt;&gt;&lt;/strong&gt;&lt;/u&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;立読み版は、目次と本文の三節目にあたる「谷底の絃歌」です。&lt;br /&gt;
PDF立読み版の下に、テキストの立読み版もあります。&lt;br /&gt;
※PDF版は画面左下「Scribd.の右隣りにあるアイコン［view in fullscreen］のアイコンをクリックすると拡大されます（画面を元に戻す時には、［Exit Fullscreen］をクリックしてください）。&lt;br /&gt;
文字は画面下の「＋－ボタン」で拡大縮小します。ただしリフロー（スクロールしないで画面の範囲内で文字拡大していくこと）はしません。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;&lt;&lt;各電子書店へのリンクは左サイドにあります。書店と端末ディバイスの対応表をご確認の上、書店をお選びください。&gt;&gt;&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;a title=&quot;View 立読み版『山の人生　上』 on Scribd&quot; href=&quot;http://www.scribd.com/doc/89421992/%E7%AB%8B%E8%AA%AD%E3%81%BF%E7%89%88%E3%80%8E%E5%B1%B1%E3%81%AE%E4%BA%BA%E7%94%9F%E3%80%80%E4%B8%8A%E3%80%8F&quot; style=&quot;margin: 12px auto 6px auto; font-family: Helvetica,Arial,Sans-serif; font-style: normal; font-variant: normal; font-weight: normal; font-size: 14px; line-height: normal; font-size-adjust: none; font-stretch: normal; -x-system-font: none; display: block; text-decoration: underline;&quot;&gt;立読み版『山の人生　上』&lt;/a&gt;&lt;iframe class=&quot;scribd_iframe_embed&quot; src=&quot;http://www.scribd.com/embeds/89421992/content?start_page=1&amp;view_mode=list&amp;access_key=key-1iojhdbr583ovxs2a8xv&quot; data-auto-height=&quot;true&quot; data-aspect-ratio=&quot;1.4199535962877&quot; scrolling=&quot;no&quot; id=&quot;doc_96484&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;600&quot; frameborder=&quot;0&quot;&gt;&lt;/iframe&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;br /&gt;
【立読み版】&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;山の人生　上&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;大泉黒石&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;　　目　　次&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;上越アルプス──三国山塊の横顔──&lt;br /&gt;
紅葉の中をゆく──片品川渓谷──&lt;br /&gt;
谷底の絃歌&lt;br /&gt;
銀山平の今昔&lt;br /&gt;
駒鳥の唄──鬼怒川渓谷──&lt;br /&gt;
六字の題目&lt;br /&gt;
秋の夜の旅&lt;br /&gt;
雪の中の浮世&lt;br /&gt;
雪橇は走る&lt;br /&gt;
利根の深渓──湯の小屋の一夜──&lt;br /&gt;
石塔を剃る──狸を食うまで譚──&lt;br /&gt;
鷲の復讐&lt;br /&gt;
蝮の缶詰&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;　　谷底の絃歌&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;　上州と岩代の国境尾瀬沼（おぜぬま）からの帰りだった。片品川渓谷老神（おいがみ）温泉、白雲閣の湯槽（ゆぶね）に浸りながら、私の道連（みちづ）れは、山の怪奇について各自の経験を語合うのだった。この道連れというのは、東京から来た登山家で、私とは片品川渓谷で知合ったのである。こういったのは私、&lt;br /&gt;
「これも山の怪異というものでしょうか、国立公園候補地になっている尾瀬沼」&lt;br /&gt;
「知っています」&lt;br /&gt;
「あれから沼山（ぬまやま）峠を越えて東へ一里の山中に、矢櫃平（やびつだいら）といって、摺鉢の底みたような熊笹の原がある。ここは源義家に追われた安部惟任（あベこれとう）一族が、はるばる奥州から利根へ逃げ込むときに、矢櫃、鎧櫃（よろいびつ）などを埋匿（まいとく）したというので、矢櫃平の名称があるんだそうですがね。不思議なことは、只今でもこの笹原に足踏み入れると、方角の見当がつかなくなって、立往生する。御承知の通り、山の中で頼りになるものは地図でしょう。それがですよ。持っている地図の文字や線が消えてしまって、いつの間にやら、白紙になっている。だからどちらへ行ったらいいか、サッパリわからず、迷いに迷いながら、やっとのことで笹原を脱け出て見ると、また、いつの間にやら元の地図になっているんだそうです」&lt;br /&gt;
「ほう。本当ですか？」&lt;br /&gt;
「さあ。どうですかなあ。そういう話を知っておれば、尾瀬沼を訪ねついでに、行ってみるんでしたが、山を下ってから聞いたので、本当か嘘かわかりません。山の人たち……樵夫（きこり）や炭焼などの説によると、これは正しく滅亡した安部一族の幽魂、ここに留まって、埋めし宝を護るためになす業である、というている。怖れて近づかないそうです」&lt;br /&gt;
「しかしこういうことがあります。私の知っている山の温泉宿の二階座敷に、近ごろ女の幽霊が出たり、真夜中になると、床の下から嬰児（あかご）の泣声がきこえる、という噂が立ったんです」&lt;br /&gt;
「なるほど」&lt;br /&gt;
「噂は段々ひろがって、その土地の新聞にまで書立てられるほど、有名になった。温泉場の人たちの話によると、その温泉宿は、もと部落の者の墓地だったところへ建てたんだそうで、墓地の持主の娘が旅（たび）商人（あきんど）の胤（たね）を宿して、女の子を生んだ。父親が怒って嬰児（あかご）を里子に出して終った。娘は気が違って淵に身を投げて死んだ。父親は家をたたんで他国へ行っちまった。その家と墓地を無代同様に買ったのが、温泉宿の主人で、墓地のそばに温泉が湧いているもんだから、墓地を取り払って宿屋を建てたんですな」&lt;br /&gt;
「ははあ。幽霊の出る下地はありますね」&lt;br /&gt;
「実際、何か出そうな陰気な家でしてね。建ててから二十年近くになるというから、家も傷むでしょうが、天井を見れば雨の汚点（しみ）だらけ、廊下を歩けばミシリ、ミシリ軋（きし）むんです。以前そんな悲劇があったし、家が家だし、幽霊が出たって不思議じゃないんだから、女の幽霊があらわれるの、嬰児（あかご）の泣き声がするの、とそんな評判が立つと、世間には物好が多いから、こいつァ面白い、嬰児の泣声なんざ、聞こえなくってもいいが、別嬪の幽霊にはお目にかかりたいもんだ、というわけで、温泉の効果（ききめ）なんかどうでもいい連中が、どしどし押しかけて行く」&lt;br /&gt;
「ほう。出ますか。幽霊」&lt;br /&gt;
「へへッ。出るもんですか！」&lt;br /&gt;
「出なくっちゃ、お客が承知しますまい？」&lt;br /&gt;
「承知するもしないも、宿屋の方では、別嬪の幽霊がサービスを致しますから、御入浴にいらッしゃいなんて、言ったわけじゃなし、広告したわけではないから、幽霊が出ようと出まいと、知ったことじゃありませんよ。お客は大抵田舎の人たちだから、幽霊が出なければ、日が悪いと思って翌朝帰る。気の長いのは泊り込んでいる。お蔭様で客のなかった宿が、満員の盛況です。逆宣伝も巧く当るとこの通り。幽霊が出るとか、嬰児が泣くとか、噂を立てさせて置いて、知らん顔をしている主人、頭がいいですな」&lt;br /&gt;
「ははははは」&lt;br /&gt;
「矢櫃平もその手ではないかと思うです。矢の根などが出るそうだから、埋蔵物か何か掘っている奴が、登山家よけの禁厭（まじない）に、地図が白紙になるなんて、途方もないことをね」&lt;br /&gt;
「なるほど」&lt;br /&gt;
「自分で経験しないことには判らんけれども」&lt;br /&gt;
「それはそうです。経験といえば、今度の旅行で私は実に奇怪な現象……というか何というか……あなたの言葉ではないが、これだけは自分の経験だから、実際なんです。四万（しま）温泉から三国街道をぬけるつもりで、入込んだ雨見山（あめみやま）の谷。道には迷うわ、日は暮れるわ、谷間を彷（さまよ）うていると、山の斜面に朽果てた山小屋があったから、野宿する気で入込んで、寝ちまいました」&lt;br /&gt;
「ふむ」&lt;br /&gt;
「夜中に目が醒（さ）めると、何でしょう。宵会の座敷で芸者が、三味線ひいて唄い騒ぐような賑やかな物音が、真暗い谷底から聞えて来るじゃありませんか！　この山奥に料理屋でもあるまいし、不思議に思って聞いているうちに、賑やかな音はパッタリ絶えてしまった。私もまたウトウト眠りました。翌朝やっとのことで、三国街道へ出ました。一軒の掛茶屋（かけぢゃや）に寄りますと、夜半の一件を思い出したんで、茶屋の爺さんに話したところが、私が迷込んだ雨見の谷は、三十六年前までは炭焼部落だったそうで、炭焼男を客に、越後三俣（みつまた）の美人が五人、谷底に小さい紅燈（こうとう）の巷（ちまた）をつくっていたが、大雪崩で家は潰れ、彼女たちは惨死した。私が闇の底に聞いた三味線や唄声は、女たちの亡霊がなす業だろうというのです。話を聞いてからゾッとしましたよ。ははははは」&lt;br /&gt;
&lt;/p&gt;</content:encoded>


<dc:subject>新刊案内</dc:subject>
<dc:subject>立読み</dc:subject>
<dc:subject>著者略歴</dc:subject>

<dc:creator>kappaman</dc:creator>
<dc:date>2012-04-15T09:04:58+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-772c.html">
<title>日本初の女流探偵小説家・大倉燁子（おおくら・てるこ）幻の長編小説『殺人流線型』※古書だと数万円！紀伊國屋BookWeb、ソニーリーダーストアで発売です！</title>
<link>http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-772c.html</link>
<description>日本初の女流探偵小説家・大倉燁子（おおくら・てるこ／1886-1960）の長編小...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;日本初の女流探偵小説家・大倉燁子（おおくら・てるこ／1886-1960）の長編小説『殺人流線型』が、いよいよ紀伊國屋BookWeb、ソニーリーダーストアでも発売になりました！&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;img alt=&quot;Sdbn00014_s&quot; title=&quot;Sdbn00014_s&quot; src=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2012/03/26/sdbn00014_s.jpg&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;立読みは→&lt;a href=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-0267.html&quot;target=&quot;_blank&quot;&gt;こちらへ！&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;古書での流通価格は数万円します。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;↓は1935年に刊行された柳香書院版の本文トビラ画像です。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2012/03/31/1.jpg&quot; onclick=&quot;window.open(this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=424,height=600,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39;); return false&quot;&gt;&lt;img alt=&quot;1&quot; title=&quot;1&quot; src=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/images/2012/03/31/1.jpg&quot; width=&quot;200&quot; height=&quot;283&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;ストーリーは立読み版をご覧いただきたいのですが、最初からスピード感があり、やや唐突な感のある箇所もありますが、とてもスピード感のある作品です。&lt;br /&gt;
仮名遣いは現代に直してありますので、どんどん読み進めていくことができるでしょう。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;昭和初期の雰囲気を堪能していただければと思います。&lt;/p&gt;</content:encoded>


<dc:subject>新刊案内</dc:subject>
<dc:subject>殺人流線型</dc:subject>
<dc:subject>立読み</dc:subject>
<dc:subject>電子書籍案内</dc:subject>

<dc:creator>kappaman</dc:creator>
<dc:date>2012-03-31T13:25:48+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-7324.html">
<title>電子書籍のメリット文字を拡大した場合の比較をしてみました！</title>
<link>http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-7324.html</link>
<description>これまで、このサイトでは弊社の電子書籍のご案内ばかりしてきましたが、これからは電...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;これまで、このサイトでは弊社の電子書籍のご案内ばかりしてきましたが、これからは電子書籍そのものの情報もどんどんお伝えしていきたいと思います。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;電子書籍の最大のメリットは何か。それは文字を拡大して読むことができることだと思います。&lt;br /&gt;
実は私も年とともに目は悪くなるので、小さな文字を読むのは苦痛になりつつあります。&lt;br /&gt;
また、パソコンでの作業においても目は疲れるものです。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;そこで、最近は電子書籍を制作する作業をしている時、プレビュー画面を見る時には、文字をできるだけ大きくしてモニタに表示するようにしました。&lt;br /&gt;
たとえば、こんな↓感じになります（画像をクリックするとポップアップします）。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2012/03/26/imag0161.jpg&quot; onclick=&quot;window.open(this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=1600,height=950,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39;); return false&quot;&gt;&lt;img alt=&quot;Imag0161&quot; title=&quot;Imag0161&quot; src=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/images/2012/03/26/imag0161.jpg&quot; width=&quot;200&quot; height=&quot;118&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;ちなみにモニタは21インチです。&lt;br /&gt;
さて、一度これで作業をすると、、、&lt;br /&gt;
非常にラクで、次からもこのぐらいの大きさにしないわけにはいきません。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;まあ年配者でなければ、文字は大きくする必要はないという意見もあるかもしれませんが、たとえば速読をするなら字は大きくした方が絶対に速いです。&lt;br /&gt;
したがって、文字を大きくできるということは、すべての年代の人にとって“いいこと”ということになります。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;弊社が作っている電子書籍は、このように文字を大きく拡大しても改行が崩れません。&lt;br /&gt;
これをリフロー型電子書籍といいます。どれだけ文字を拡大しても、画面の枠の中に入り、しかも行が崩れないというわけです。&lt;br /&gt;
では、iPadではどうなるかを見てみましょう（画像をクリックするとポップアップします）。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2012/03/26/img_0011.png&quot; onclick=&quot;window.open(this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=768,height=1024,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39;); return false&quot;&gt;&lt;img alt=&quot;Img_0011&quot; title=&quot;Img_0011&quot; src=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/images/2012/03/26/img_0011.png&quot; width=&quot;200&quot; height=&quot;266&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;これをもう少し拡大すると、、、（画像をクリックするとポップアップします）&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2012/03/26/img_0013.png&quot; onclick=&quot;window.open(this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=768,height=1024,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39;); return false&quot;&gt;&lt;img alt=&quot;Img_0013&quot; title=&quot;Img_0013&quot; src=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/images/2012/03/26/img_0013.png&quot; width=&quot;200&quot; height=&quot;266&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;さらに拡大すると↓のようになります（画像をクリックするとポップアップします）。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2012/03/26/img_0014.png&quot; onclick=&quot;window.open(this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=768,height=1024,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39;); return false&quot;&gt;&lt;img alt=&quot;Img_0014&quot; title=&quot;Img_0014&quot; src=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/images/2012/03/26/img_0014.png&quot; width=&quot;200&quot; height=&quot;266&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;ちなみに以上の３つの画像は、すべて同じiPad上のものです。&lt;br /&gt;
iPadの場合も、私は一度、文字を大きくしたら、もう小さな文字には戻れなくなってしまいました。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;（一方で、よく本を断裁してスキャニングし、PDF化してiPadに取り込んで読むという方法もありますが、これだと文字を大きくしてしまうと、一つの画面の中でスクロールをしなければならなくなり、非常に煩雑になます）&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;このリフロー型電子書籍を私の80歳を越える親に見せたところ、「これはイイ！」ということでiPadを購入することになりました。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;書籍の場合も大活字本というのはありますが、これはページ数が多くなり本が重くなります。&lt;br /&gt;
が、電子書籍の場合は何ページになろううが、それで本が重くなるということはありません。&lt;br /&gt;
これが、一つ大きな電子書籍のメリットです。&lt;br /&gt;
&lt;/p&gt;</content:encoded>


<dc:subject>電子書籍</dc:subject>

<dc:creator>kappaman</dc:creator>
<dc:date>2012-03-26T16:01:44+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-bcde.html">
<title>『殺人流線型』友人のネット古書店「くろねこ堂」さんでは</title>
<link>http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-bcde.html</link>
<description>私の友人でネット古書店をやっていらっしゃるくろねこ堂さんでは、柳香書院が1935...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;&lt;img alt=&quot;Sdbn00014_s&quot; title=&quot;Sdbn00014_s&quot; src=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2012/03/26/sdbn00014_s.jpg&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;私の友人でネット古書店をやっていらっしゃる&lt;a href=&quot;http://www.f-kuronekodo.com/&quot;target=&quot;_blank&quot;&gt;くろねこ堂さん&lt;/a&gt;では、柳香書院が1935年に刊行した大倉燁子著『殺人流線型』は現時点で70,000円となっています。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;・くろねこ通信&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;http://blog.livedoor.jp/kuroneko_do/archives/5526512.html&quot;target=&quot;_blank&quot;&gt;大倉燁子｢殺人流線型」（柳香書院）&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;同じ書籍でも、古書と電子書籍はまったく異質です。&lt;br /&gt;
この柳香書院版の価格にしても、あくまで古書としての価値なわけですが、逆に言えば、これを購入しても手に取って読むのはなかなか大変で勇気が必要です。&lt;br /&gt;
であれば、実際に読むのは電子書籍というパターンもあっていいかもしれません。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;かつて、レコードなどは保存版と実際に聴く版を持っていたりする人がいましたが、そのように古書と電子が共存していくことができるかもしれません。&lt;/p&gt;</content:encoded>


<dc:subject>古書</dc:subject>
<dc:subject>大倉燁子</dc:subject>
<dc:subject>新刊案内</dc:subject>
<dc:subject>殺人流線型</dc:subject>
<dc:subject>電子書籍</dc:subject>

<dc:creator>kappaman</dc:creator>
<dc:date>2012-03-26T10:53:03+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-0267.html">
<title>大倉燁子著殺人流線型著者略歴＆立読み</title>
<link>http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-0267.html</link>
<description>書名： 『殺人流線型』 価格： ８４０円 著者： 大倉燁子（おおくら・てるこ／1...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;書名： 『殺人流線型』&lt;br /&gt;
価格： ８４０円&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;img alt=&quot;Sdbn00014_s&quot; title=&quot;Sdbn00014_s&quot; src=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2012/03/26/sdbn00014_s.jpg&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;著者： 大倉燁子（おおくら・てるこ／1886-1960）&lt;br /&gt;
　　　　⇒ウィキペディア「&lt;a href=&quot;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%80%89%E3%81%A6%E3%82%8B%E5%AD%90&quot;target=&quot;_blank&quot;&gt;大倉燁子&lt;/a&gt;」&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;u&gt;&lt;strong&gt;&lt;&lt;&lt;&lt;立読みコーナー&gt;&gt;&gt;&lt;/strong&gt;&lt;/u&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;立読み版は、目次と冒頭部分の第一節「影なき女」です。&lt;br /&gt;
PDF立読み版の下に、テキストの立読み版もあります。&lt;br /&gt;
※PDF版は画面左下「Scribd.の右隣りにあるアイコン［view in fullscreen］のアイコンをクリックすると拡大されます（画面を元に戻す時には、［Exit Fullscreen］をクリックしてください）。&lt;br /&gt;
文字は画面下の「＋－ボタン」で拡大縮小します。ただしリフロー（スクロールしないで画面の範囲内で文字拡大していくこと）はしません。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;&lt;&lt;各電子書店へのリンクは左サイドにあります。書店と端末ディバイスの対応表をご確認の上、書店をお選びください。&gt;&gt;&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;a title=&quot;View 立読み版_殺人流線型 on Scribd&quot; href=&quot;http://www.scribd.com/doc/86688785/%E7%AB%8B%E8%AA%AD%E3%81%BF%E7%89%88-%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E6%B5%81%E7%B7%9A%E5%9E%8B&quot; style=&quot;margin: 12px auto 6px auto; font-family: Helvetica,Arial,Sans-serif; font-style: normal; font-variant: normal; font-weight: normal; font-size: 14px; line-height: normal; font-size-adjust: none; font-stretch: normal; -x-system-font: none; display: block; text-decoration: underline;&quot;&gt;立読み版_殺人流線型&lt;/a&gt;&lt;iframe class=&quot;scribd_iframe_embed&quot; src=&quot;http://www.scribd.com/embeds/86688785/content?start_page=1&amp;view_mode=list&amp;access_key=key-6j3doy30o36zzn4lndr&quot; data-auto-height=&quot;true&quot; data-aspect-ratio=&quot;1.41339491916859&quot; scrolling=&quot;no&quot; id=&quot;doc_32583&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;600&quot; frameborder=&quot;0&quot;&gt;&lt;/iframe&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;br /&gt;
【立読み版】&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;殺人流線型&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;大倉燁子&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;br /&gt;
　　　　目　次&lt;br /&gt;
　影なき女&lt;br /&gt;
　謎の麗人&lt;br /&gt;
　小鳩の使者&lt;br /&gt;
　彼らの制裁&lt;br /&gt;
　全裸のスター&lt;br /&gt;
　懸賞金一萬円&lt;br /&gt;
　カフェー・ボンボン&lt;br /&gt;
　三十二年型ビック&lt;br /&gt;
　スタデオの犯人？&lt;br /&gt;
　殺人光線&lt;br /&gt;
　怪電話&lt;br /&gt;
　不気味な患者&lt;br /&gt;
　偽医者&lt;br /&gt;
　帰って来た死美人&lt;br /&gt;
　死のスタデオ&lt;br /&gt;
　暗闇の足音&lt;br /&gt;
　壁の人形&lt;br /&gt;
　雄子の秘密&lt;br /&gt;
　失われたペンチ&lt;br /&gt;
　琥珀色の酒&lt;br /&gt;
　かえだま&lt;br /&gt;
　屍体の行くえ&lt;br /&gt;
　恋人の死&lt;br /&gt;
　悲愴な決意&lt;br /&gt;
　ドクターのメスによって&lt;br /&gt;
　殺人狂？&lt;br /&gt;
　燃えるセルロイド&lt;br /&gt;
　殺人流線型&lt;br /&gt;
　一輪の白百合&lt;br /&gt;
　墓地発掘&lt;br /&gt;
　地下室の秘密&lt;br /&gt;
　紫水晶の美人像&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;影なき女&lt;/p&gt;

&lt;blockquote&gt;　怨恨と憎悪、獣心（じゆう・しん）と化した女の、限りなき憤怒、それはどんなものであろう。&lt;br&gt;
　妄語と偽瞞に翻弄され、あまつさえ奈落に蹴落とされし女の血の呪詛（じゆ・そ）、それはどんなものであろう。&lt;br&gt;
　影なき女は、仇敵を倒さんがためにのみ、蘇返（よみがえ）った。彼女は己（おの）が肉を喰い破り血汐を啜って誓ったのだ、復讐！　ああそれはどんなものであるか、初めて汝は思い知るであろう。&lt;/blockquote&gt;

&lt;p&gt;　宛名もなければ署名もない、ただそれだけの文字が書き連ねてあった。團野寵子（だん・の・ちよう・こ）は客の帰ったばかりの応接室でそれを拾ったのである。最初は紙屑かと思い、捨てるつもりで、マニキュアを施した綺麗な指先で撮（つま）み上げると、いかにも軟らかい手触りの婦人用白麻ハンケチであった。しかも、その人を忍ばせるようないい香（かおり）が染（し）み込んでいた。男の客の立ち去った後に、女のハンケチが残っている。何か意味がありそうだ。夫の素行が素行だけに、寵子は厭（いや）な気持がした。&lt;br /&gt;
　ここにいたものはスタデオのキャメラマン柏木晃（かしわ・ぎ・あきら）と彼の紹介で初めて訪ねて来たカルカッタの富豪前川譲次（まえ・かわ・じよう・じ）と、夫の團野求馬（だん・の・きゆう・ま）との三人であった。いずれその中の誰かが所持していたものに違いない。必ずしも夫だと断定する訳ではないのだが──、何となく気にかかる。&lt;br /&gt;
　團野求馬は来客を送り出してから、書斎へ入って行ったが、ややしばらくすると、いかにも機嫌よさそうに口許に微笑を浮べて、寵子のそばへやって来た。その時まで彼女はハンケチをテーブルの上に広げて眺めていたのだったが、慌ててそれを懐中（ふところ）にかくし、二重瞼のぐりっとした眼で、探るように夫の顔をじろりと見上げながら、&lt;br /&gt;
「たいそうお嬉しそうね。ご機嫌ですこと──。いいお話でもあったんですの？」とつい厭味を言ってしまった。&lt;br /&gt;
「ウン。今、ちょいと興信所から来た調査を見て来たが、──イヤ、大したもんだぞ。前川さんは謙遜して、財源がカルカッタにあるとだけで、くわしく語らないが、欧州各国や米国方面へ輸出している紅茶だけでも、非常な額だ。ああいう大富豪が後援者となって、金を融通してくれれば、オレも社長の椅子を投げ出さなくってすむし、第一スタデオの方も思い切った仕事ができる。東洋活動株式会社もやっとこれで一息つけるというもんだ」&lt;br /&gt;
　寵子は團野が故意（わ・ざ）と話を事業の方に外（そ）らし、胡麻化（ご・ま・か）しているのだろうと曲解した。今にハンケチを出して、不意に眼の先につきつけて、吃驚（びつくり）させてやろうと心に思いながら、すっかりはぐらかされているような振りをして、彼に相槌を打っておいた。&lt;br /&gt;
「あなたの努力が段々報られるんですわ。ほんとうに結構なことですのね、──お帰りの時、ちらりとお姿を見ましたが、前川譲次さんって方は、お上品で、女のように優しいご容子（よう・す）をしていらっしゃいますのね。でもお眼がお悪いんですの？　湿布した上へ黒眼鏡を掛けておいでになりましたわね」&lt;br /&gt;
「片眼なんだ。壮年時代にジャングルで猛獣に襲われ、眼珠（め・だま）を爪でやられたそうだがそればかりじゃない。左の中指の第二関節から喰いちぎられたんだ。見苦しい痕を見せないためだろう、手際よくきちんと繃帯（ほう・たい）をしてかくしているよ」&lt;br /&gt;
　寵子は関心したように言った。&lt;br /&gt;
「あんな繊弱（きやしゃ）なご様子の前川さんでも、過去にそんな荒っぽい生活をしていらしたことがあるんですかねえ。海外で成功なさる方はどこか勇気がおありになりますのね。──ほんとに柏木さんは好（い）い人をご紹介して下さいましたものですわ。でも──、柏木さん、どうしてそんな立派な方とご懇意だったんでしょう？」&lt;br /&gt;
「あいつは長年南洋方面を彷徨（うろつ）いていたそうだから、彼地（むこう）で懇意になったんだろう。こんな大ものを引張（ひつ・ぱ）って来てくれると、何だか柏木までが豪（えら）くなったように思われるな」&lt;br /&gt;
　團野は肱掛（ひじ・かけ）椅子に反り返って、両手で後頭（こう・とう）を抱えながら、両足を思い切り伸ばして、心地よさそうに、仰向いて大きな欠伸（あくび）をした。&lt;br /&gt;
　寵子は夫がどんな顔をするだろうと思いながら、突然、ハンケチをテーブルの上に投げ出して、&lt;br /&gt;
「あなた、このハンケチ、──ご存じでしょう？」と云った。その声は剣（つるぎ）のように鋭く、彼の急所をグザと突いたつもりだった、が、夫は別に驚く様子もなく、平然として愉快そうに天井を見ながら、何か別のことを考えているらしかった。&lt;br /&gt;
　彼女は一寸（ちよつと）拍子抜けがしたが、今度は改まった口調になり、&lt;br /&gt;
「あなた」と呼びかけ、ハンケチを夫の目前に突つけて、&lt;br /&gt;
「あなたが腰掛けていらした椅子の脚下（し・た）に。──落ちていたんですのよ。お見覚えはありません？　何だか、底意（そこ・い）のありそうな文句が書いてあるんですのよ。御覧遊ばせよ」&lt;br /&gt;
　彼は仕方なく、それを手に取り上げて見た。&lt;br /&gt;
　二三行読むと急に椅子から起（た）ち上がり、また思い返して腰を下したが、難しい顔をして、読み終わっても、屹（きつ）と文面を見つめたまま、身動きもしないで、考え込んでしまった。&lt;br /&gt;
　寵子は主人（おつと）の表情に細心の注意を払いながら、ちらり、ちらりと流し眼に顔色を見ていたが、そのただならぬ様子から想像しても、何か深い仔細がありそうだ。彼が所持していたものではないようだが、それにしてもこのハンケチと彼との間には何か深い秘密があるに違いない。毎度のことなので大して嫉妬も起こらなかったが、それでも面白くないので、言葉だけは和（やわ）らげて、しんねりとした調子で訊き始めた。&lt;br /&gt;
「影なき女だなんて、何だか思わせぶりねえ、──ペンネームなんですの？　──一体こりゃ誰の名なんですか？」&lt;br /&gt;
　しかし、團野は石のように押し黙り、ハンケチをぎゅっと掴んだままむっつりとして答えない。今までの愉快そうな表情はどこかへ去（い）ってしまって、妙に緊張した眼は充血したように赤味を帯び、唇は軽く痙攣している。女にかけては良心を失ったような彼だ、その男をかくまで真剣に考え込ませる女があるものなのだろうか。影なき女というのは、一体何者だろう？　よほどの豪物（えら・もの）に違いないんだ、と寵子は心で考えていた。その時、ふっと、頭の中をある女の名がかすめた。&lt;br /&gt;
「ねえ。あなた、このハンケチは──、もしや、あの、──紫魂團（し・こん・だん）の教祖、薊罌粟子（あざみ・け・し・こ）さんのじゃないんですか？」と云うと同時に、握りしめている夫の手からハンケチをもぎ取って、電燈に透かして見ていたが、文字の下の刺繍に気がつくと、たちまち唇を真白（まつしろ）にして、&lt;br /&gt;
「あッ、あなた、一寸（ちよつと）ごらん遊ばせ。この刺繍を──、蛇が自分の尾を噛んでいます。これは紫魂團のマークでしょう？　あなたのお胸の文身（いれずみ）と同じ形の──」と云いかけると、團野は彼女の言葉を奪って、打ち消すように早口に云った。&lt;br /&gt;
「何？　薊罌粟子？　そんな──、そんな馬鹿な──。刑務所にいる奴のハンケチが、──どうして俺のうちの応接室に落ちていたんだ？　馬鹿な。そんなことがあってたまるものか。あの女の出所する日なんか、まだまだ遠い先のこった。第一紫魂團は薊罌粟子が検挙されると同時に全滅したんだ」&lt;br /&gt;
「だって、──ああいう宗教團というものは存外根強くって、表面全滅した形に見えていても、どこかで復活していることがある。──とあなたが、先日仰ったじゃありませんか、まるで焚火のあとのようなもので、消したと思って安心していると、ほとぼりが残っていて、また燃え上がって来ることがあるもんだって──、だから、紫魂團も今頃はどこかでそろそろもう芽をふいているかも知れませんわ」&lt;br /&gt;
「冗談じゃない。いくらあの女が非凡（えらく）ても、そうちょっくら復活はできないよ」&lt;br /&gt;
「だけれど、あの執念深い人のことだから分かりませんわ。たたき潰されたって、泣き寝入りに潰れっちまやしないだろうと思いますのよ、執念深いと云えば、万一あなたが密告したんだと云うことを知ったら、あの薊罌粟子さんは、どんな怖ろしい復讐を企てるか分りゃしませんよ」&lt;br /&gt;
　夫もそれには同意するらしく、深く肯いて、&lt;br /&gt;
「そうだ。知れたら無事にはすむまい。あの烈しい性質の女だ。俺を裏切者（トライゾン）として私刑（リンチ）にもところしかねないだろう。だが、それは印度だったら、と云う話だよ」&lt;br /&gt;
　寵子はもう嫉妬どころではなかった。&lt;br /&gt;
「怖ろしいわ。あの人──。あなたもまあ、信者のマークの文身（いれずみ）までして──。どうしてそんな凄い宗教團なんかにお入りになったもんでしょうねえ」と云って身を震わし、寒気だったような顔をした。&lt;br /&gt;
「宗教と云うよりは、あれは一種の秘密結社なんだ。しかし、信者になっていたばかりに俺達だって、随分得もしているじゃないか。それに紫魂團も最初の目的は立派だったんだからな。──法律に触れないで、巧みに悪事を働き、成功者として地位を得ていたもの、法網を潜って、社会に害毒を流しているもの、良民を苦しめて、私財をつくっているもの、等々を絶滅させ、もっと清らかな、美しい世の中につくり直そうと云う、理想主義の団体だったんだからね、それが最近はすっかり堕落してしまって、ただ信者を滅（へら）さないように惹き付けておくためには何でもやると云うようになったんだ。地下室の魅力殿なんかも、その目的から造ったもので、阿片窟（あ・へん・くつ）なんだからね」&lt;br /&gt;
「妖魔のような、美しい薊罌粟子さんと阿片窟、──でも、よくあなたは無事にそこから逃げられたのね」&lt;br /&gt;
「警察の力を借りなければ──、到底紫魂團との縁は断（たた）れなかったかも知れない。何しろ事業に失敗して、再起の希望を失い、放浪生活までしていた俺を引き立ててくれたのもあの女だ。一昨年の暮、東活が破産しかけた時、はるばる印度の紫魂團から救いの手が伸びて来なかったら、今頃俺達はどうなっていたろう？　会社は潰れてしまって、この邸宅も人手に渡り、惨憺（みじめ）な有様になっていたに違いない。考えてみるとその恩義のある人を密告したんだから、俺としては済まない気もするし、また寝醒（ね・ざめ）もよくないんだが、しかし、支那街の阿片窟同様な、あの秘密室を覗いてみたら、誰だって社会のために、一掃しなくちゃならないと思うだろうよ」&lt;br /&gt;
「理屈はそうでも、──私（わたくし）はあの方の出所の日が恐いんですのよ」&lt;br /&gt;
「問題は金だ。会社で借りた金は返還しさえすればいいじゃないか。しかし、まあ、あの女が刑務所にいる間は無事だ。心配することはないさ。それにつけても前川氏を上手く説き付けなけりゃ──」&lt;br /&gt;
「影なき女って云うのは、薊罌粟子さんのことじゃなかったんですの？」&lt;br /&gt;
「さあ。誰かの悪戯（いたずら）だろう。──帰化したから、故郷を有（も）たないと云う意味で、影なき女なんかと自分で云っていたこともあるが──」&lt;br /&gt;
「罌粟子第二世でもできたんじゃないでしょうか」&lt;br /&gt;
「そこまで心配しちゃきりがない。が、まあ、しかし、内密に捜査課長まで話しておく必要はあるかも知れないな。注意だけはしておかないとね。今、つまらぬ問題に引っ掛かると万事打（ぶ）ちこわしだからな。──大事なときだ」&lt;br /&gt;
「じゃ、直ぐ電話をつなぎましょうか」&lt;br /&gt;
「電話は危険だ。明日行って話してくる」&lt;br /&gt;
　その時、外に誰か忍んで歩いているような、微（かす）かな足音がした。夫婦は思わず顔を見合わせて、起ち上がり、庭に面した硝子戸を開けようとした途端、黒い影のようなものが、すうッと芝生を横切って、植え込みの中へ消えていった。&lt;br /&gt;
「今の、何でしょう？」&lt;br /&gt;
「犬だろう」&lt;br /&gt;
「でも、──何だか気味が悪いわ。人影のような気がしたけど──。貴方よくごらんになって？」&lt;br /&gt;
「イヤ」と夫は首を振って、&lt;br /&gt;
「神経だよ。俺には黒い犬のように見えたもの、そうびくびくしていちゃ仕様がないなあ」&lt;br /&gt;
　と笑いながら、平気を装おうと勉めているようだったが、心の不安はどうにもかくせない、懊悩（おう・のう）の色は眉宇（び・う）の間に現れていた。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;── 志木電子書籍からのお知らせ ──&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-f180.html&quot;&gt;あなたの原稿を&lt;br /&gt;
元カッパ・ブックスの編集者が&lt;br /&gt;
電子書籍にいたします！&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&lt;/p&gt;</content:encoded>



<dc:creator>kappaman</dc:creator>
<dc:date>2012-03-26T09:11:01+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/bookwebhonto-6b.html">
<title>大泉黒石 『人間廃業』本日より紀伊国屋BookWeb、ソニーリーダーストアで発売です！そして『人生見物』はボイジャーストア、hontoから発売！</title>
<link>http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/bookwebhonto-6b.html</link>
<description>本日より紀伊国屋BookWeb、ソニーリーダーストア他で、 大泉黒石（1893-...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;本日より紀伊国屋BookWeb、ソニーリーダーストア他で、&lt;br /&gt;
大泉黒石（1893-1957）著『人間廃業』が発売となりました。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;img alt=&quot;Haigyo&quot; title=&quot;Haigyo&quot; src=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2012/03/17/haigyo.png&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;立ち読み版は→&lt;a href=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/02/post-d5d7.html&quot;target_&quot;blank&quot;&gt;こちらから&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;圧倒的な語り口で紡ぎ出される文章。貧乏のどん底で繰り広げられる人間活劇は、ニヒリズムをベースにしながらも抱腹絶倒、まるで古典落語のような面白さ。&lt;br /&gt;
本書は大泉黒石の著書の代表作の一冊です。&lt;br /&gt;
是非、立ち読み版をご覧いただければ幸いです。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;また、ボイジャーストア、hontoでは同じく大泉黒石の&lt;br /&gt;
『人生見物』も発売となっております。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;img alt=&quot;Kenbutu&quot; title=&quot;Kenbutu&quot; src=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2012/03/17/kenbutu.png&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;立ち読み版は→&lt;a href=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-f5c9.html&quot;target_&quot;blank&quot;&gt;こちらから&lt;br /&gt;
&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
黒石と友人が、釜山からハルピン経由でシベリアへ。行く先々で巻き起る騒動とともに、大正年間における日本のシベリア出兵という騒然とした世相がくっきりと浮かび上がります。&lt;br /&gt;
こちらは来週23日より、紀伊国屋BookWeb、ソニーリーダーストアで発売となります。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;br /&gt;
── 志木電子書籍からのお知らせ ──&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-f180.html&quot;&gt;あなたのブログや原稿を&lt;br /&gt;
元カッパ・ブックスの編集者が&lt;br /&gt;
電子書籍にいたします！&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&lt;/p&gt;</content:encoded>


<dc:subject>新刊案内</dc:subject>
<dc:subject>立読み</dc:subject>
<dc:subject>著者略歴</dc:subject>

<dc:creator>kappaman</dc:creator>
<dc:date>2012-03-17T22:12:51+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-f5c9.html">
<title>大泉黒石著『人　生　見　物』著者略歴＆立読み版</title>
<link>http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-f5c9.html</link>
<description>書名： 『人生見物』 価格： ４２０円 著者： 大泉黒石（おおいずみ・こくせき／...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;書名： 『人生見物』&lt;br /&gt;
価格： ４２０円&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;img alt=&quot;Kenbutsu&quot; title=&quot;Kenbutsu&quot; src=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2012/03/05/kenbutsu.png&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;著者： 大泉黒石（おおいずみ・こくせき／1893-1957）&lt;br /&gt;
　　　　⇒ウィキペディア「&lt;a href=&quot;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%B3%89%E9%BB%92%E7%9F%B3&quot;target=&quot;_blank&quot;&gt;大泉黒石&lt;/a&gt;」&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;u&gt;&lt;strong&gt;&lt;&lt;&lt;&lt;立読みコーナー&gt;&gt;&gt;&lt;/strong&gt;&lt;/u&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;立読み版は、本文の２章に該当する「二」の冒頭部分です。&lt;br /&gt;
PDF立読み版の下に、テキストの立読み版もあります。&lt;br /&gt;
※PDF版は画面左下「Scribd.の右隣りにあるアイコン［view in fullscreen］のアイコンをクリックすると拡大されます（画面を元に戻す時には、［Exit Fullscreen］をクリックしてください）。&lt;br /&gt;
文字は画面下の「＋－ボタン」で拡大縮小します。ただしリフロー（スクロールしないで画面の範囲内で文字拡大していくこと）はしません。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;&lt;&lt;各電子書店へのリンクは左サイドにあります。書店と端末ディバイスの対応表をご確認の上、書店をお選びください。&gt;&gt;&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;a title=&quot;View 人生見物_立読み版 on Scribd&quot; href=&quot;http://www.scribd.com/doc/84027297/%E4%BA%BA%E7%94%9F%E8%A6%8B%E7%89%A9-%E7%AB%8B%E8%AA%AD%E3%81%BF%E7%89%88&quot; style=&quot;margin: 12px auto 6px auto; font-family: Helvetica,Arial,Sans-serif; font-style: normal; font-variant: normal; font-weight: normal; font-size: 14px; line-height: normal; font-size-adjust: none; font-stretch: normal; -x-system-font: none; display: block; text-decoration: underline;&quot;&gt;人生見物_立読み版&lt;/a&gt;&lt;iframe class=&quot;scribd_iframe_embed&quot; src=&quot;http://www.scribd.com/embeds/84027297/content?start_page=1&amp;view_mode=list&amp;access_key=key-2g95sj2rapev1vglruk6&quot; data-auto-height=&quot;true&quot; data-aspect-ratio=&quot;1.41339491916859&quot; scrolling=&quot;no&quot; id=&quot;doc_75348&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;600&quot; frameborder=&quot;0&quot;&gt;&lt;/iframe&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;br /&gt;
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;br /&gt;
【立読み版】&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;人生見物&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;大泉黒石&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;br /&gt;
　　　二&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;　アルトール・ショーペンハウエルの動機説（エテイシエレグルンド）によると、俺みたいなつむじ曲がりの男が時々鳴動するのも矢張り虫の精だそうだ。岩蛸の忠告には無頓着で小田巻立春斎に鳴動してやった訳はこうだから、勢い、親方の家に居るわけにもいくまい。当てはないけれども出て行こうじゃないかと言うと慌て者の万之助が、待っていましたと言わぬばかりに「痛快痛快。小田巻風情の没分暁漢（ワカラズヤ）にコキ使われるような手の筋は持ちませんと言ってやりゃよかった。出て行くなら一刻も早い方がいい。親方が戻ると面倒だからなア」と一人で勇み立ちながら、硯に墨を摺るのだ。何をやり出すかと思うと、貸本屋から借りた「義士銘々伝」の上表紙に『一筆啓上、長々お世話になったる我等両人、時来りて今日立ち退き申す。両人出世の暁には昔日の恩義に酬ゆるべく、別れに臨み固く誓い申す者也、御機嫌宜敷、伝兵衛殿』と書き殴って、仏壇の正面に押し立てた。そして「君、これでよかろうじゃないか」と言った。いいかも知れないが、親方に読めるかしらと心配すると、それだから君、このとおり平仮名さ、と澄ましていたが、大袈裟な男だ。万之助とはシベリアで別れたきり会わないから、平仮名の文句どおりに、昔日の恩に酬いたかどうか知らないけれども、親方の家を出ると間もなく、親方のことなんか曖気（おくび）にも出さないほど当てにならぬ万之助のことだから、本気にして待っていようものなら、とんだ馬鹿を見るのが落ちだろう。岩蛸が見たら噴き出すかも知れないと思いながら、ビール箱の家を出た。出た足で三河島の屠牛場へころげ込んだ。&lt;br /&gt;
　こう言うと、俺たちの親兄弟が牛の皮でも剥いでいるように聞こえるから、その辺の消息を明らかにする必要がある。けれども三年前に一通り書いた『俺の穢多時代』がそれだ。も一度くり返してもいいが、書けば穢多という言葉が出る。大泉黒石ともあろうものが、法律で禁じてある言葉を平気で使うとは何事だ。挨拶の次第によっては覚悟があると、三年前に水平社仲間に脅かされて面食らったこともある。親代々の水平ではないが、貧乏のお蔭で社員に選挙される資格は充分あるつもりだ。それ程馴染みの深い俺は何でもご承知だ、挨拶の次第によって肉切庖丁でも持ち込まれちゃ大変だから、屠牛場時代の話はやめた。折角だが今度もやめる。そして屠牛場からシベリアへ駆け出そう。シベリアへ行くならつてがあると万之助が俺を誘ったなんて先刻も言ったが、そういう事情で、出発の支度や路銀の工面をつけると大正七年十月がやって来た。これでは余りあっけないだろう。この節地方へ行くと俺は間違って文豪の候補者扱いにされるのだ。折角の好意なら候補者なんて心細い。何故いきなり文豪にしてくれないのかと思っているくらいだから、気の利いた立志伝の作者を見つけたら、この辺の記述を一つこういうふうに書いて貰おうと思っている。即ち「ナポレオンの望みなしと雖（いえど）も、後年に到って文豪の疑いある大泉黒石は、この時悟るところありて牛殺しの鉄の棒をガラリと投げ捨て、手足の血糊を洗い落として屠牛場を立ち去り、颯爽たる姿を東京発下関行三等の隅に現せり」と、このくらい誇張しないとやり切れぬ。その夜行列車のベンチに、相棒の万之助と二十四時間座っていたら、下関駅に着いた。赤い電灯のついている賑やかな地下道をぬけて桟橋へ出ると、真っ暗い足場を押したり押されたりしているうちに、関釜連絡船百済丸の下甲板へ出た。出たかと思うと、今度は忽ち荷物艙みたいな所に放り込まれた。田舎芝居の桟敷より窮屈で暗くて南京虫臭い畳床が、両側二段に仕切られている。愚図愚図していると満員になりそうだから、争って割り込んだ。靴と下駄を枕に、ひと先ず横になって落ちついて見た。何のことはない古箪笥の抽斗（ひきだし）から首だけ持ち出している形だ。明日の朝までこの穴の中に逼息（ひつ&lt;!&gt;そく）していなければならないとはウンザリだねと言うと、かりそめにも朝鮮へ渡ろうという者が、今から悲観するようじゃ仕様がないよ、と万之助が言った。その癖、波が少し高くなって船がゆれ出すと、真っ先に蒼くなったのがこの男なんだ。かりそめにも朝鮮へ押し渡ろうという者が、今からその有様じゃ、先が思いやられるなア、と言い返してやると、どうもこの、船なんて奴は僕の性に合いかねると見えて、このとおり頭がグラグラする、吐きそうだと弁解したもんだ。その弁解に付け加えて、何しろ海へ乗り出すのはこれが始めてなんだと言った。そして、船室を出ると翌朝まで降りて来なかった。甲板の上を夜っぴて歩きながら、玄海の波に落ちて砕ける星の光が、一つ一つ減っていくのを待っていたのだそうだ。黒み渡る山と山との間に、長っ細いトンネルみたいな釜山の桟橋の影を見ると、足をバタバタやって喜んだのだそうだ。そんなことは知らないから、一人でも減ると助かると思ってウンと手足を伸ばすと「痛い！」と怒鳴って跳び上がった奴があった。見ると、今しがた、荷物の陰に転がっていた朝鮮人の「チゲクン」が、いつの間にか万之助の席へ辷り込みに来ていたのだ。暗くてハッキリしないが、鼻はペシャンコで頭の裏が崖みたいな男だ。この朝鮮のオビンズルさんが、脾腹を押さえて顔を顰めながら、今にも俺に掴みかかりそうな権幕だから肝を潰した。&lt;br /&gt;
「どうしました？」&lt;br /&gt;
「あんたが私の腹を蹴ったんだ！」&lt;br /&gt;
「痛いかね？」&lt;br /&gt;
「痛い痛い」とまた脾腹を押さえ直したから俺が蹴ったんだろう。こんなときは大急ぎで詫るに限る。俺が喫いかけの金蝙蝠（ゴールデンバツト）を床の上に吐きすてて起き直ると、朝鮮のオビンズルさんがいきなりパッと拾い取った。そして旨そうに、スパスパと喫（ふ）かそうというのだから、拍子がぬけて気の毒になった。だから一箱分けてやると、もう脾腹の方なんか、どうでもよろしいといった格好だ。ニコニコと笑顔をつくって「どうも有り難う。あんたはどこまでいらっしゃるか」なんて覚束ない日本語で、反対（あべこべ）に挨拶した。おかしな男だ。俺がシベリアへ行くのだと答えると、オビンズルさんは目を丸くして言うのだ。「それは、あんまり遠いですなア。私の田舎の郭山（かくさん）でさえ、雪が降ったと言いますから。シベリアはもうよっぽど積もっていましょうなア」そこで俺が聞いてみた。「朝鮮はよく知らないのですよ。郭山てどの辺です？」すると彼は答えた。「定州（チヨンジユ）の一つ先きです」「その定州がわがらん」「明後日の朝、そこを通りますからご覧なさい」と彼が笑った。成るほど明後日の朝になると、郭山に着いた。禿地の真ん中に背負い投げを食ったような不景気なステイションがあって、オビンズルさんの兄弟みたいな朝鮮人が、プラットホームに固まりながら、物欲しそうな目つきで、汽車の窓を眺めていた。ここに十分間停っていると、釜山から乗り合わせた出征兵どもが、あんまり退屈なもんだから、正宗や弁当の食いかけを、窓から突き出して揶揄ったもんだ。おい！　ヨボ！　これをやるから、汽車の尻を押せやい！　すると五、六人のオビンズルさんが線路へ躍り込んで、列車の尻を必死になって押した。出征兵どもが拍手喝采する。列車はビクともしない。弁当の食いかけはお預けだ。オビンズルさんは悄然として引き揚げた。駅長が笑っている。日本の兵隊は酷い悪戯をするものだと思ったが、この尻押し連の中に、下車したばかりの船友もいるんだから感心したことがある。この船友のオビンズルさんが万之助の席へ割り込んで、殆んどひと晩一人で饒舌ろうと言うのだ。眠くはあるが、眠ると南京虫にやられそうだから、無闇と煙草を喫（ふ）かして話を聞いているうちに、鼻の穴が笹子のトンネルみたいに真っ黒くなった。オビンズルさんの言うことは、よく解りかねるけれども、何だか一人の兄貴があって、この兄貴と郭山の田舎から釜山港へ出て来たらしい。そこで誘拐屋にだまされて、九州若松近在の石炭山に嵌められた。もっとも誘拐屋の手にかかって日本へ渡る朝鮮の労働連は、毎日八百人もあるそうだから、その組だろうと思って謹聴していると、つい二、三日前のことだ、五十人ばかりの坑夫がセッセと石炭を掘っている第何号かの坑に火が入った。空気を早く絶たなければ、何万か何十万の損害になるので、係の役人が、坑夫ぐるみに坑口を密閉したのだそうだ。火が消える時間を見計って、坑の口をあけると、五十人ばかりの坑夫が、坑の扉口まで這い寄ったまま、黒焦げになっていた。その中にオビンズルさんの兄貴がいたのだそうだ。俺も大抵のことはやったつもりだが、まだ坑夫の経験はないから、随分乱暴な真似をするもんだと、心中大いに驚いた。オビンズルさんの兄貴は何万円か何十万円かの、犠牲の一人になって焼け死んだわけだから、慰謝料の千や二千は寄越したろうと聞いてみたら、坑の大将が黙って十円札を一枚くれたと言った。粗末な命だ。それでは旅費にも足るまいと言うと、「全くです。郭山へ着くとお終いになります。でも日本にいるよりは安全です」と悲しげに呟いた。あんまり可哀想だから釜山へつくと、電車道のちっぽけなカフェーへ連れ込んでやった。万之助が陸軍省に勤めている知合いの役人から貰った金を二分して、旅費を差し引いても、この男を喜ばせるのに差し支えはないと思うから、朝飯を奢ってやるがどうだいと、船の下りぎわに万之助と相談すると、それもよかろうと言った。そのカフェーは三角路の釜山郵便局と向き合っている。後ろは街で前は丘だ。丘の上に憲兵分隊の看板が立っていた。卓子（テーブル）に腰かけて窓の外を眺めると、白衣の朝鮮人が桶を担いだり車を押したり、ウヨウヨ通る。粥の椀を抱えてツルツル啜りながら、天狗の団扇みたいな煙草の葉を売っている爺さんがいる。見すぼらしい電車がやって来ると、砂ぼこりが立って、煙草の葉が真っ白くなる。腰から下がひどく冷えるから、成るほど朝鮮は寒いなアと言いながら、万之助を見ると、いつの間にか手も顔も洗わずにパンを噛っているのだ。オビンズルさんがナイフを持って俺の合図を待っていた。だから、サア遠慮なく平らげてくれたまえと言うと、石のように固いパンを一分間で食いつくした上に、バタの皿を舐めてしまった。よっぽどひだるいのだろうと思った。「も一つ何か注文したまえ、ライスカレーがいいだろう」と俺が言った。するとオビンズルさんは、海老のフライにしましょうと言った。万之助がパンの中から驚きの目を見張って俺を見た。その海老のフライを片づけてしまって物足りない様子をしているから「も一つ注文したまえ、今度はライスカレーがいいよ。海老のフライなんぞ、いくら食ったって腹にこたえるもんじゃない」と言った。つづけざまに高い海老を食われてはたまらない。万之助が妙な目付きでまた俺を見るから、ハハア、奴さんヒヤヒヤしているのだと思いながら朝飯を片づけた。連絡車に乗ろうかひと休みしようかと、万之助が言い出した。こんなに疲れているから次の汽車にして、酒でも飲もうと俺が発起すると、すぐ賛成した。これからが不思議なんだ。オビンズルさんとは、カフェーの戸口で別れることにきめた。「大層にご馳走さまでした。ご機嫌よろしゅう」と朝鮮人がステイションの方ヘスゴスゴと出て行くのを待ち構えたように、万之助かムッとした表情で「おい君！」と言うのだ。「君は何だって、あんなヨボの野郎に、無闇と物を食わせるんだい？」だから俺はこう言った。「いいじゃないか、お互いさまだ」ところが万之助はますますムッとして「よかないよ！」と怒鳴った。「僕等は未だ他人（ひと）の世話を焼くような身分じゃあるまい！」&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;br /&gt;
── 志木電子書籍からのお知らせ ──&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-f180.html&quot;&gt;あなたの原稿を&lt;br /&gt;
元カッパ・ブックスの編集者が&lt;br /&gt;
電子書籍にいたします！&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&lt;/p&gt;</content:encoded>


<dc:subject>新刊案内</dc:subject>
<dc:subject>立読み</dc:subject>
<dc:subject>著者略歴</dc:subject>

<dc:creator>kappaman</dc:creator>
<dc:date>2012-03-06T11:30:55+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-128c.html">
<title>岡庭昇著『この情報はこう読め』著者略歴＆立読み版</title>
<link>http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-128c.html</link>
<description>書名： 『この情報はこう読め』 価格： ５００円（税込） ３月中旬、刊行予定。 ...</description>
<content:encoded>&lt;p&gt;書名： 『この情報はこう読め』&lt;br /&gt;
価格： ５００円（税込）&lt;br /&gt;
３月中旬、刊行予定。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;img alt=&quot;Johoi&quot; title=&quot;Johoi&quot; src=&quot;http://fusenmei.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2012/03/05/johoi.png&quot; border=&quot;0&quot;  /&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;著者： 岡庭昇（おかにわ・のぼる）&lt;br /&gt;
1942年生まれ。&lt;br /&gt;
慶應大学経済学部卒業後、ＴＢＳに入社。ドキュメント・ディレクターとして活躍する一方、文芸評論家としても多くの著作を出す。&lt;br /&gt;
原発、人権、差別、交通警察、ゴミ、在日外国人、学校教育などのテーマに切り込む一方、テレビ・ディレクターだからこそのメディア、ニュースの読み方を提示。&lt;br /&gt;
著書に、『飽食の予言』シリーズ、『この情報はこう読め』シリーズ、『メディアの現象学』『亡国の予言』『自己決定力』『メディアと差別』他多数。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;a href=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/02/post-8df4.html&quot;target=&quot;_blank&quot;&gt;『かくもさまざまな言論操作』&lt;/a&gt;、&lt;a href=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/02/post-526b.html&quot;target=&quot;_blank&quot;&gt;『テレビ帝国の教科書　メディア・ファシズムの罠を見抜け！』&lt;/a&gt;は志木電子書籍より昨年電子化。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;br /&gt;
&lt;u&gt;&lt;strong&gt;&lt;&lt;&lt;&lt;立読みコーナー&gt;&gt;&gt;&lt;/strong&gt;&lt;/u&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;立読み版は、「電子書籍版への序文」「目次」「汚染列島をどう生きるか　狂奔する消費者不在のコスト史上主義」です。&lt;br /&gt;
PDF立読み版の下に、テキストの立読み版もあります。&lt;br /&gt;
※PDF版は画面左下「Scribd.の右隣りにあるアイコン［view in fullscreen］のアイコンをクリックすると拡大されます（画面を元に戻す時には、［Exit Fullscreen］をクリックしてください）。&lt;br /&gt;
文字は画面下の「＋－ボタン」で拡大縮小します。ただしリフロー（スクロールしないで画面の範囲内で文字拡大していくこと）はしません。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;&lt;&lt;各電子書店へのリンクは左サイドにあります。書店と端末ディバイスの対応表をご確認の上、書店をお選びください。&gt;&gt;&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;a title=&quot;View この情報はこう読め_立読み版 on Scribd&quot; href=&quot;http://www.scribd.com/doc/84004743/%E3%81%93%E3%81%AE%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%81%AF%E3%81%93%E3%81%86%E8%AA%AD%E3%82%81-%E7%AB%8B%E8%AA%AD%E3%81%BF%E7%89%88&quot; style=&quot;margin: 12px auto 6px auto; font-family: Helvetica,Arial,Sans-serif; font-style: normal; font-variant: normal; font-weight: normal; font-size: 14px; line-height: normal; font-size-adjust: none; font-stretch: normal; -x-system-font: none; display: block; text-decoration: underline;&quot;&gt;この情報はこう読め_立読み版&lt;/a&gt;&lt;iframe class=&quot;scribd_iframe_embed&quot; src=&quot;http://www.scribd.com/embeds/84004743/content?start_page=1&amp;view_mode=list&amp;access_key=key-2zrsijulzxa94vhmdes&quot; data-auto-height=&quot;true&quot; data-aspect-ratio=&quot;1.41339491916859&quot; scrolling=&quot;no&quot; id=&quot;doc_20075&quot; width=&quot;100%&quot; height=&quot;600&quot; frameborder=&quot;0&quot;&gt;&lt;/iframe&gt;&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;br /&gt;
【テキスト版】&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;電子書籍版への序文&lt;br /&gt;
──このクソはこう読め！&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;　本書は一九八九年に青峰社から発行した。&lt;br /&gt;
　一九八九年と言えば、『天安門事変』という歴史的な反乱があった。わたしは魯迅に習って、こう書いた。&lt;br /&gt;
《学生が改革に乗りださなければならない社会は不幸だが、いかに頽廃しても学生が一声も上げない社会はもっと不幸ではないか》&lt;br /&gt;
　自らの限りない頽廃を顧みること抜きに、他国の青年たちの体を張った抵抗を賛美してもあざといだけではないか。まず鏡に映った己の醜態を知れ。&lt;br /&gt;
　公的な情報は、まずウソであると決め付けた上で、そこから思考すること。わたしの永年の主張を、誇張が過ぎると思っていた「和と常識の国」の人々は、二〇一一年の東京電力の醜態を眼前にして自分の方が非常識だと気付いたはずだ。&lt;br /&gt;
　公に流通している「制度としての情報」、つまり大陰謀から小陰謀までのクソをどう読み変えるか。どこかに真実をたっぷり含んだ「本当の話」が用意されているわけではない。本当の情報を知る良いルートがあるわけでもない。すべての手掛かりは、まさにそのクソの中にある。&lt;br /&gt;
　わたしがテレビの現役ドキュメンタリストだったそのころでも、何かツテがあって「この情報はこう読め」と言ったわけではない。テレビ局の報道マンなんて、いささかも情報のプロなんかじゃなくて、そのときどきの仕掛けに屈折も抜きに感情を同化するだけの無邪気な存在でしかないのだ。&lt;br /&gt;
　小沢一郎が悪人の代名詞のように扱われる現状は、二〇〇九年衆議院選挙のマニフェストがやはり官僚独裁やアメリカにとって確実に脅威だったんだな、と少し知恵のある者なら誰しも思う。ところがテレビや新聞報道は、本気で「小沢の犯罪」に怒っているらしいから恐れ入る。どうしてこんな幼稚園に、情報の読み替えのルーツなどがあろう。&lt;br /&gt;
　手掛かりは垂れ流されるクソの中にある。それは報道が自前で取材したものではない。だから多少は良心的であるより、思い切りウソっぽい方がかえって真実を（反転して）映している。その真実を読むのは、それを読み得る実力である。&lt;br /&gt;
　何の話でも同じだ。政治が駄目なのは、どこがなぜ駄目なのか見抜こうとしない自分のせいなのである。小沢が悪だとテレビが騒げばすぐそれを信じる人間が大半では、いつまでたっても良い政治などが「やって来る」わけがない。&lt;br /&gt;
　自分の頭で考え、常に公的情報以外の情報に接することや、思考はどのように多義的であるかを知ることで、自分を鍛え上げる。そのとき、クソはあなたの前で真実の鏡として輝くだろう。&lt;br /&gt;
　従って本書のタイトルは、正確にはこうである。&lt;br /&gt;
　このクソはこう読め！&lt;br /&gt;
　一九八九年に刊行して貰った内藤忍さんと二〇一二年に電子書籍として生き返されて下さった京谷六二さんに感謝する。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;岡庭　昇&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;　目　　次&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;電子書籍版への序文&lt;br /&gt;
──このクソ情報はこう読め！&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;１　コスト至上主義ニッポンの風景&lt;br /&gt;
　　・汚染列島をどう生きるか&lt;br /&gt;
　　　　狂奔する消費者不在のコスト至上主義&lt;br /&gt;
　　・知らしむべし　依らしむべからず&lt;br /&gt;
　　　　墜落した日航機は放射性物質を積んでいた!?&lt;br /&gt;
　　・“暗い感情”からの脱却&lt;br /&gt;
　　　　傲慢な都市生活者に呪いあれ&lt;br /&gt;
　　・資本主義ってなんだっけ&lt;br /&gt;
　　・ああ、官民一致協力してガン王国ニッポン！&lt;br /&gt;
　　　　社会的責任を放棄するコスト・バカ&lt;br /&gt;
　　・傲慢なウソつきたち&lt;br /&gt;
　　　　農産物輸入問題の中身&lt;br /&gt;
　　・“鬼畜米英”は正しかった&lt;br /&gt;
　　　　“民主主義”と“自由”の国アメリカの幻影&lt;br /&gt;
　　・印象社会における権力の手法とは&lt;br /&gt;
　　　　企業責任を問う者は逮捕する！&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;２　マスメディアの頽廃&lt;br /&gt;
　　・サラリーマンには自分に属する時間がないのか&lt;br /&gt;
　　　　“大朝日”による本多勝一の執筆禁止令&lt;br /&gt;
　　・テレビ殺すに刃物はいらぬヤラセとひとこと云えばよい&lt;br /&gt;
　　　　テレビ＝ヤラセの宣伝に隠された本当のねらい&lt;br /&gt;
　　・客観報道という名のデマゴギー&lt;br /&gt;
　　・管理列島ニッポンの春&lt;br /&gt;
　　　　『フライデー』的“スクープ”の手法&lt;br /&gt;
　　・法と秩序の奴隷たち&lt;br /&gt;
　　　　浅薄な“実力行使”と警察に頼る“スキャンダリズム”&lt;br /&gt;
　　・活字人間がなんぼのもんじゃ&lt;br /&gt;
　　　　自分を棚上げしてテレビ批判をする“作家”のレベル&lt;br /&gt;
　　・匿名報道によって誰が救われるのか&lt;br /&gt;
　　　　記者クラブのあり方こそが問題&lt;br /&gt;
　　・テレビ批評は不毛地帯なり&lt;br /&gt;
　　　　無責任なヨタをとばす“批評家”たち&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;３　日本社会のファシズム原理&lt;br /&gt;
　　・いよいよ広瀬隆攻撃がはじまった&lt;br /&gt;
　　　　政治的な目的で流される脆弁の数々&lt;br /&gt;
　　・浜田幸一を断固支持する&lt;br /&gt;
　　　　形式的な品位の裏にひそむ暴力的構造&lt;br /&gt;
　　・“合意のファシズム”について考える&lt;br /&gt;
　　　　労働者への抑圧を固定化した「連合」の成立&lt;br /&gt;
　　・醜い国家と醜い民衆たち&lt;br /&gt;
　　　　日本という暗い風土の暗い権力の体質&lt;br /&gt;
　　・ナカソネが高らかに笑う日&lt;br /&gt;
　　　　恥知らずな健忘症社会の成立&lt;br /&gt;
　　・権力広報としてのスキャンダリズム&lt;br /&gt;
　　　　黄色い白人の差別意識&lt;br /&gt;
　　・教育は闘争の中にある&lt;br /&gt;
　　　　ワンチャン先生騒動記&lt;br /&gt;
　　・日本人はどこまで不感症たりうるか&lt;br /&gt;
　　　　中畑攻撃に見る労組っぶし&lt;br /&gt;
　　・義務教育を廃止せよ&lt;br /&gt;
　　　　管理という名の子供たちへの暴力&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;４　この情報はこう読め&lt;br /&gt;
　　・あまりに遠いアジア&lt;br /&gt;
　　・“しゃべりすぎる”社会と沈黙させられたままの事実&lt;br /&gt;
　　・“アジア人であること”への想像力&lt;br /&gt;
　　・国境はどのように越えられたか&lt;br /&gt;
　　　　鎖国ニッポンを憫笑する豊かさ&lt;br /&gt;
　　・労働と権力にかかわる御参考までのバカ話&lt;br /&gt;
　　・法廷ファシズムの時代がきた&lt;br /&gt;
　　　　発表ジャーナリズムの空洞化&lt;br /&gt;
　　・上海であらためて考えたこと&lt;br /&gt;
　　　　“禁じられた歌”の紡ぎ出すもの&lt;br /&gt;
　　・鎖国日本人の対外感覚&lt;br /&gt;
　　　　外務官僚は国民気質を代行する&lt;br /&gt;
　　・歴史に対する感傷と現状認識の欠落と&lt;br /&gt;
　　　　歴史の握造を行うニュージャーナリズム&lt;br /&gt;
　　・裁判か茶番か&lt;br /&gt;
　　　　矢沢美智子と裁判制度の詭計&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;　　あとがき&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;汚染列島をどう生きるか&lt;br /&gt;
狂奔する消費者不在のコスト至上主義&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;　『朝日新聞』八八年九月二〇日朝刊に、“トリクロロエチレン／汚染地下水で奇形金魚／千葉／体内、高濃度を検出”という記事が出ている。《発ガン物質の有機塩素系溶剤・トリクロロエチレンによる地下水汚染が問題になっている千葉県君津市で、汚染された井戸の水を利用していた池の金魚が「奇形」になったとして県衛生研究所と県内水面水産試験所が調べていたが、一九日、金魚の体内から〇・三四ｐｐｍという高濃度のトリクロロエチレンが検出されたことが明らかになった》（同）というものだ。この記事を読んで、金魚なんてもともと奇形ではないか、といった者がいる。たしかに、きわめて人工的な魚であることは歴史的な事実だが、それとこれとは話が別だろう。汚染された井戸水で飼われていたこの金魚は、体の表面にコブのようなものが多くでき、卵巣のう腫もできていた。&lt;br /&gt;
　かたわらに、“農薬が気化／一二〇人が被害／埼玉”という記事があるのも、何やら凄まじい。《畑の土中にまいた液体農薬が気化して流れ出し》、被害が出たというもの。まだ、こんなことをやっているのだ。&lt;br /&gt;
　また、それ以前に一六日の同紙には、“病死牛肉／都内でも食用に？／発送用段ボールを納品”という記事が出ている。かねてペットフード用の病死牛肉が、人間向けに大量に出回っていたことが大阪で明らかになり、調査が進められていたが、東京と岐阜にも送られていたことが明らかになったというもの。&lt;br /&gt;
　双方とも、人災による食＝環境の破壊という点で、まったくおなじ事件と見るべきである。それにしても、まったく、よくもまあ、類似のケースが続々と出てくるものである。&lt;br /&gt;
　わたしは八八年九月二六日に、「これでいいか日本の食卓―汚染列島からの証言」を、放送したばかりである。まさに、汚染列島としか評しようのないところにこの国はきている。永年のＧＮＰ至上主義と、その支柱であるコスト主義体制がすっかり自然を破壊し、われわれの健康を危機にさらしている。たしかに、根っからコスト主義に囚えられた中年男性たちでさえ、半数が原発反対になったと報道されてはいるが、そしてそれはむろんいいことだが、その一面で、日常的な汚染と環境破壊を省みないのではなんにもならない。むしろ原発の賛否が大きく語られることが、身近な自然破壊に目を向けることを妨げてしまうなら、それほどの皮肉はあるまい。&lt;br /&gt;
　八六年の一二月、養殖ハマチの実態をテレビでレポートして、大きな反響を呼んだ。そのとき以来、一貫してわたしは、何が危険な魚で、何が安全な魚かというような“情報”にのみこだわっていたのでは、問題の本質を見誤ることになるだろうと、警告してきた。問題は、消費者を犠牲にすることによってのみ成立している生産体制、コスト切り下げのためならいかに危険なことをしても許されるという、この国の倒錯そのものにある。そのことをわたしは、「食べることによってみずからの身体を食べられるシステム」と呼んだ。&lt;br /&gt;
　放送のあと、八七年の二月、全漁連は大会をひらき、ＴＢＴＯの使用をやめると発表した。それを、民間団体の決議なのに、水産庁の思惑どおり、“ＴＢＴＯ、使用禁止に”と報道した新聞もあった。&lt;br /&gt;
　そんなものはまるでウソっぱちだ、とわたしは番組でも、文章でも主張し続けてきた。ＴＢＴＯは中枢神経を狂わせる薬品だから、ただちに使用禁止されるべきである。水産業界は、それを網に貝や海藻が着かないために使用している。ただちにやめるべきであるが、やめるにはやめるだけの準備が必要である。たとえば養殖の網を、亜鉛メッキの金属網に切り替えることだ。そういう準備にまったくとりかかろうとしていない。また大会の雰囲気は、あたかもわれわれの番組がウソをいっているかのような説明が幹部からなされ、関係者なら誰でも猛毒性を知っているＴＢＴＯを、無害な薬品のようにとりつくろったものだった。その上で、世間の批判を避けるため、とりあえず“発表”したのである。実行するわけがない。できるわけがない。&lt;br /&gt;
　案の定だった。八八年八月一〇日、環境庁が発表したところによれば、日本近海は全域にわたってＴＢＴＯに汚染されており、瀬戸内海に至っては、昨年の二倍の濃度になっている。瀬戸内海が、養殖ハマチや養殖タイの本場であることは、説明するまでもない。&lt;br /&gt;
　動かぬ証拠を映像化して、この、官民一体となった、あざとすぎる体制を告発しなければならぬ。いくらやっても、蛙の面にションベンだろうが、やりはじめた以上、ひとつの決着をつけなければなるまい。&lt;br /&gt;
　８ミリビデオを片手に、西九州に飛んだ。カメラクルーが大がかりに近づいたのでは、拒絶され、隠されるにきまっている。家庭用ビデオで、観光客を装って証拠の映像を撮影してやろうと思ったのだ。考えてみれば、自然が破壊されているという告発の映像が、美しくある必要はない。いや、美しくあってはいけないはずだ。ひるがえっていえば、テレビ画面の美しい整序性こそ、破壊された自然、汚染のなかの現実を見えないものとさせてきた元凶であるのかもしれない。&lt;br /&gt;
　簡単に“犯行現場”をおさえることができた。ロケ運もあるのだろうが、それほどどこでもＴＢＴＯを使っているということだろう。それにしても、東松浦で見つけた、ＴＢＴＯの作業場はたいへんな規模だった。おりしも二人の漁民が、せっせとＴＢＴＯで網を染めていたが、どうやら一括請負方式になったらしい。あっけらかんのカー、といったところである。&lt;br /&gt;
　まったく、消費者の顔が想像力から欠落しているのだから、なんでも平気でできるということなのだろう。&lt;br /&gt;
　そのほか、紀伊半島もまわったが、どこでも以前とおなじように使っていた。行政が無利子の資金を貸し付け、金属網に替えさせることとひきかえに、ＴＢＴＯを成分禁止にしないかぎり、こんな劇薬が養殖魚を経由して、消費者の体内に入る事態は、回避できない。あるいは原発の取水口と排水口にＴＢＴＯを使っているため、禁止処分が出せないのだろうか。&lt;br /&gt;
　コスト主義が必然的に健康を犠牲にするというこの国のシステムをこそ撃たねばならぬのだが、政治的な御都合主義によってわれわれの肉体が売りわたされるとなると、さらに腹立たしい。いくらも例があるが、たとえば、八八年三月から六月にかけて表面に出かかった、輸入ブタ肉の問題が典型である。&lt;br /&gt;
　まず、アメリカ産のブタ肉から、抗菌剤・スルファミシンが検出された。続いて、台湾産のブタ肉からも、おなじ結果が出た。こう書くと、厚生省はいつも検査に励んでいるようだが、とんでもない。いつもは野放しである。アメリカから何やらキナ臭い噂が伝わってきて、それでしぶしぶやってみたところ、予想どおり検出されたということなのである。スルファミジンは、サルファ剤の一種で、発ガン物質である。そして、両国のものをトップクラスにして、いま日本で消費されているブタ肉の三○％が輸入肉なのである。&lt;br /&gt;
　輸入禁止処分になったのは、いうまでもあるまい。ところが、問題はその先だ。すぐさまアメリカから、高官が飛んできた。そして、ひそかに農水省、厚生省に迫ったのである。いちいち安全性に目くじらを立てるのは、関税外障壁である、そんなことでは、日米の貿易をめぐるかねてのトラブルにも、どういう影響があるかもしれないと恫喝したらしい。&lt;br /&gt;
　行政はすぐ折れた。どういう結論になったか？　輸出する側が証明書をつけさえすればいい、ということになった。&lt;br /&gt;
　つまり、いっさい、検査しないということにしたのである。&lt;br /&gt;
　バカげた、そして許せない話ではないか。自国民の健康を損なう食品を、それとわかっていながらわざわざ見逃すなどという行政が、世界中のどこにあるというのか。発ガン物質、スルファミジンは、たまたまアメリカ産、台湾産ブタ肉から検出されたのではない。大阪大学の植村振作さんの分析調査によれば、生産体制の必然性だという。つまり、つねにふくまれている可能性があるということだ。それなのに現在、両国の汚染ブタ肉は、まったく検査されないまま、わたしたちの食卓にのぼろうとしている。行政は、政治と引き換えにわれわれの健康を売り渡したのである。&lt;br /&gt;
　日本はガン王国である。年間に二〇万人もの人々が、ガンで死んでいる。そこには、環境破壊の現状が端的に反映しているといえよう。このような事態を招いたのは、以下のような体制だ。&lt;br /&gt;
　官民一体となって、生産至上主義に狂奔している。薬剤メーカーの便宜にのみ行政の顔が向いていて、危険な農薬、抗菌剤を“成分禁止”にしない。流通を停滞させると、経済大国が崩壊するかのような脅迫観念に陥っているから、放射能食品などもフリーパスで輸入される。国内の食品検査なども、形式だけのものにしている。政治的な思惑だけを最優先させて、いかなる危険な事態が起こっても関知しない。&lt;br /&gt;
　そして、食＝環境をめぐる行政犯罪の仕上げは、消費者に必要な情報の秘匿と、特定の大消費市場への押し付け消費にほかならない。後者は、たとえば社員食堂、弁当、給食業界である。&lt;br /&gt;
　給食には、歴史的にみて、ありとあらゆる危険な食品が出回った。いわばそこは、行政の矛盾と御都合主義を解消する、“食の捨て場”なのである。八七年の秋には、背曲がりハマチが学校給食に入っているのが発見されたが、かつてはかの臭素米も押しつけられたのである。&lt;br /&gt;
　わたしは、流通における、食品の大量一括消費システム自体を廃止すべきだと考える。つまり、弁当、食堂、給食への、中間的な専門流通にこそ、この問題の因がある。それにしても、給食の現状を批判する人々の間にも、ただちにもはや無意味となった給食などやめてしまえという声が聞かれないのは、どうしたことなのだろうか。&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊&lt;/p&gt;

&lt;p&gt;&lt;br /&gt;
── 志木電子書籍からのお知らせ ──&lt;br /&gt;
&lt;a href=&quot;http://www.shiki-digitalbooks.co.jp/2012/03/post-f180.html&quot;&gt;あなたの原稿を&lt;br /&gt;
元カッパ・ブックスの編集者が&lt;br /&gt;
電子書籍にいたします！&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;</content:encoded>


<dc:subject>岡庭昇シリーズ</dc:subject>
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